イッチョーラ・イタリアーノ
ムスメが洗濯物をたたむのを手伝ってくれた。
たたみながら彼女が言った。
「あれ?
このパパのパンツ初めて見るよ」
それはabuのおろしたてピカピカ新品パンツだった。
「それはパパの一張羅(いっちょうら)だよ」
私のその言葉を聞いて、ムスメが言った。
「そうかぁ。
そういう種類(彼女の中ではブランドのこと)の
パンツなんだね」
abuがドルガバやアルマーニのパンツをはいているのをムスメは知っていて、
またどこかのブランドのパンツだと思ったらしい。
イッチョーラ…
のけぞりそうなほどおかしかった。
今ここで「違うんだよ」と言ってしまうと、
この楽しい状況が終局を迎えてしまう。
それはあまりにも惜しい、もう少し楽しみたい。
私はそっぽを向きながら笑いをこらえて小刻みに震えた。
それを聞いたいたずらっこabuが言った。
「イタリア製なんだよ」
心の中で突っ込む 『それはメイド・イン・ジャパン、BODY WILDじゃん!』
素直なムスメは真に受ける。
「そっかぁ、パパのパンツはイタリアのなんだ〜」
心の中でさらに突っ込む 『いや、ユニクロもあるよ』
ムスメは感心していた。
外国のもの=なんかカッコイイもの、そんなイメージがあるらしい。
「イッチョーラかぁ、イタリアかぁ」
「そうなの、イッチョーラ・イタリアーノなの」
abuの庭師軍手をたたみながら、もう少しこんな時間を楽しみたい私が言った。
それから、また私とムスメは黙々と洗濯物をたたんだ。
このブログの写真ために、現物のパンツをはいてくれたabu、ありがとう(笑)
by emiya_xxx
| 2009-06-10 23:02
| かぞく